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メンター通信 第90号

発行日2011.7

カタログを持っていくな!の一言が、私に営業のコツを教えてくれた。

「車の営業の話でしょ。」
わが社には関係ないとお思いかもしれませんが、訪問営業のルールは店舗での営業にも通じるところがあります。
当時でも軒並み訪問と言って、一軒一軒訪問するようなことはあまりしていませんでしたが、私は他の方より年齢がいってから営業を始めたものですから新人のように面倒をみてくれる人がいるわけでもなく軒並み訪問しかすることがなかったのです。
私が初めて一人で営業に出た頃ですが、訪問していて商品の説明を求められたら商品の説明をしなければなりません。
私は車の営業をしていましたので、全車種のカタログを2から3枚鞄に詰めて歩きました。
ご存知の方もみえるかと思いますが、車のカタログは写真が多く厚い質のいい紙で作ってあります。
ですので、全車種を2,3冊それに電卓、価格表を鞄に詰めると結構な重さになります。
この重い鞄を片手に、一軒一軒回っていくのです。
如何ですか。営業が嫌いになってきたでしょう。
さらに昼間訪問しても留守が多くおみえになったとしても
「うちは、間に合ってます」とか「忙しいんで」とか
断りの文句が飛んでくるんです。
たまに出てきて頂いたとしても、車のことなど縁のないお年寄りとか、お子さんでした。
とは言え販売はしなけばなりません。
たまに出てきた人に、「え〜と。こういうものを売っています」とカタログを出すわけです。

そして話すこともないので、車の説明をして「またお帰りになったら伝えてください」そして名刺を置いてくる。
こんなことを繰り返していました。
でも売れることはありませんでした。そんな活動をしていたある日のことです。

マネージャーから、「お前!カタログ持って行くな!」
「高いんやぞ。俺が商談するときになくなっとるやないか。」

とえらく怒られました。
それ以来、私はカタログを持って歩くことが出来なくなりました。
さらに丁度自分の担当エリアも一巡し、2度目を訪問しなければならなくなってきたのです。
「困ったなぁ。話すことが何もないぞ」
訪問がだんだん嫌になってきました。最初は喫茶店で休憩。
それも毎日というわけには行きません。しかも車は一台も売れず。見込み客さえ見つからない状態が続きます。
喫茶店でサボるのも限界があります・
「こうして売れなくなって辞めていくんだろうなぁ。でも俺には後がないし・・・」
よしこうなったら、手ぶらで行こう。
会社からは、日報を付けるように言われていましたので、クリップボードに日報を挟み軒並み一軒一軒訪問しました。

玄関を入るときも工夫をしました。インターフォン越しだと断りも多いので、玄関に立って大きな声を出して「こんにちは!こんにちは!」と呼びます。
出てきて頂けると今までとちょっと対応が違ってきました。
私自身カタログも持っていないし、セールス鞄も持っていません。
そんなこともあり、売りたいというオーラが消えていたんだと思いますね。
しかもお客さんの方でも、警戒心がなくなっていたんだと思います。相手から話をされることが多くなってきました。
「ああ、これなら繰り返し訪問できるな」と思ったのです。
そしてこれを繰り返していくうちに、どうやって質問すればよいのかが解ってきたんです。
でも成果は全然出ていませんでした。知人から紹介されても成約は出来ず。見込み客も見つからず。
それでも訪問活動は、手を抜かず継続しました。それから3ヶ月目のことです。
初めて自分で見つけてきたお客さんと成約をすることが出来たのです。
それ以降は、何がなんだか解らないほど商談を重ねていつの間にか。表彰されるようになっていました。

私は自慢をしたいわけでもなくって、このやり方がまさにランチェスター戦略のルールに従っていたことをお伝えしたいのです。
訪問件数が他のセールスの3倍。
まず営業エリアですが、これは会社から与えられたテリトリからは外へ出ることができませんので、弱者の局所戦、狭域戦です。
次に販売力ですが、
販売力 = 回数(量)の2乗 × 質 できまりますので、まず量の分野を見て行きたいと思います。
当時会社から言われていた訪問件数の目標は1日30件です。
私が目標としたのは、100件です。
通常の3.3倍を目標としました。これはバーナードコープマンの必勝の数値2.83倍を上回る量です。
もう一つは労働時間を長くしました。販売が出来るまでは休み無し。これはさすがに3倍にはなりませんでしたが、20%ぐらい上回っていたと思います。
これが量の分野です。これ以上は増やせませんでした。
次に質に分野ですが、再度訪問方式と引き込み営業をしたというところです。
再度訪問方式は、アメリカの保険セールスのリチャードキャンベルが開発し、フランクベトガーが発展させたもので次の工程を前半を2度の分けて販売活動を行うものです。

フランクベトガーの珍しい写真です。
   @アプローチ
   A人間関係構築
   Bニーズ調査
   C商品説明
   D反論の処理
   Eクロージング
私は最初、いきなりカタログを持ってCの商品説明を一所懸命しようとしていました。
やる気を出せば出すほど、殺気がみなぎりお客さんは警戒して引いてしまうのです。
それがカタログが無くなり、マネージャーのお叱りを受けてからというもの@〜Bを繰り返し行っていたのです。
フランクベドガーは2度の訪問で契約に持ち込みましたが、私にはそんな力がありません。そこで@〜Bをひたすら繰り返してお客さんが説明を求めるまで商品説明に入らないという方法です。
こういうのを引込み戦といいます。

ヘタクソが相手の陣地まで出て行ってはボコボコにされてしまうのがオチです。
@活動エリアを狭くする。A活動量を多くする。B人間関係作りに徹する。この3つを基本のひたすらサボらないように自分を監視していただけです。
当時どのような自己管理をしていたかと言いますと、
  @総訪問件数
  A決定権者との面会件数
  B見込み客発見件数(見込み客は発見するとリストに書き写します。これを源泉リストと言います)
一番意識していたのが総訪問件数です。
いわゆる活動量というもので、馬鹿みたいですがこれが落ちるとモティベーションというか前向きに行こうという気持ちが萎えてくるんです。
誰でもそうだと思いますが、知らない人の家に飛び込んでいくというのは嫌なものです。

コレで人生が変わりました。

中途半端な気持ちで、行けば落ち込むだけです。
体と精神は繋がっているとよく聞きますが、その通りだと思います。元気に振舞えば元気が出てきます。
こうやって理論的な裏づけを持つことで、セールスで苦しんでいる多くの人が救われるのではないかと思っています。
私でも出来たんですから
それでこういう理論的なことをどうしても伝えて行きたくて講演をしているのです。
そして現在の仕事で他の色々な業種をアドバイスしていくうちに、これが店舗営業や通信販売など他の業種にも応用できることをしったのです。
神田昌典先生のエモーショナルマーケティングも仕組みは再度訪問方式を、ダイレクトメールに使ったものですし、人間関係を築いていく過程を文章に入れています。
私はたまたまそういう環境に置かれて運よく気づきました。
皆さんもこの理論は絶対に知っておくべきことだと思います。
そして、自社に応用してみてください。
詳しくは7月以降のビジネスセミナーにてお伝えします。

フルバックさんと運送業向けセミナーを行う

今年は講演の回数を増やすことを目標にしています。
そこで今年は自社の主催では、1ヶ月に1度開催を予定しています。
「これ以上、自分のところで開催するのは難しいなぁ。」
そこで経済団体をピックアップしてダイレクトメールを継続して送るようにしました。
でもこれだと待っているだけなので、どうしたものだろうか。
そこで頼りになるのが、学校の後輩です。
その後輩とは、私がいつも研修で利用させて頂いているフルバックの社長藤牧氏です。
ご存知の方もみえるかもしれませんが、私の母校は鈴鹿高専。
我々の世代は。1,2年は寮に入ります。
1年生と言えば、中学3年を出たばかりほとんどの学校が坊主頭でしたので、イガクリ頭の子供です。
高専は5年生までですので、最上級生は二十歳です。タバコを吸っていい人もいるわけです。
そうだからという訳でもありませんが、学校の結びつきが非常に強いのです。
そんな理由だけではありませんが、6月13日にセミナー
を行うことになりました。
フルバックさんは、コンピューターソフトウェアをの発を中心に経営をされてきた会社です。
現在は、ソフトウェアの開発という業務からサービス提供型のビジネスに変えようとしています。
サービス提供型ということは、相手を特定する必要があります。それが物流業です。

物流業に的を絞った藤牧社長
皆さんは、『物流経営士』ってご存知ですか?
全日本トラック協会が運営されている認定資格で、運送業の経営を学び、その資格を取得するものです。
そのためには物流大学校の講で、カリキュラムを修了し、論文の提出と所定の試験に合格しなければなりません。
通常は運送業の経営者の方が取得されるものです。それをソフトウェア出身藤牧氏は取得されました。
そのフルバックさんとセミナーを開催することになりました。第一回目は6月13日に行われました。テーマは「競争力のある運送サービスを創るための対策」です。

同業種が集まったところで話をするのは、総会などの記念講演ぐらいで、あまり経験はありません。
実のところランチェスター戦略というのは、同業が集まったところでは非常に話しにくいのです。
戦いの法則ですので、相手とどのように差を付けるかという話をどうしても避けることが出来ません。
今回は同業ですので、非常に気を使いました。しかしながら、今の日本ではそんなことは言っておれません。高度成長時代に発達した産業は、いまほとんどが成熟期にきています。
成熟期になって業界でも下位の方にいれば、給与や経費を払うのが精一杯。
さらにリーマンショック、震災と次々と難題が現れてきます。そんな中ストック(蓄積)がないところから淘汰されていきます。
ストックと言うのは、自己資本額、固定客、強い商品、強い地域、社長の戦略能力、強い社風です。
下請け業が悪い訳ではありません。第何次下請けと言う立場でいつまでもギリギリの利益で運営したいたら、いずれストックはなくなり、電話帳から社名が消えてしまうことになります。
どうすればお客さんに近い位置で、経営をしていくのかを本気で考えなければならない時期にきていると思います。

さらにどう考えても今の業界では、「差別化も思いつかない」、「下請けの段階を変えることができない」ということならならば、他の業界への進出も検討しなければならないと思います。
それには、早くて3年、7年、8年は掛かります。
高専の同窓生も偶然一人いたのです。次回は7月26日 詳しくはお問合せください
一般的に下請けを長く続けているところだと指示されたことに対しては、いい仕事をします。しかしながら自ら発想することや制限をはみ出して考えを巡らせるということは少々苦手です。
この習慣を変えるだけでも、1年や2年では変わりません。そういう意味でも今すぐ経営の根本的な見直しをされることをオススメします。

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