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メンター通信 第88号

発行日2011.5

指導実績が記事に。この味本舗秋田社長の場合

丁度2年前、平成21年の4月のことですが、四日市商工会議所の水谷さんから、連絡が入りました。
「岩崎先生、四日市で珍しい調味料を造っているところがありまして、販売についてのアドバイスをお願いしたいのですが・・」
「はあ、それでどういうものですか?」
「この味というもので、卵焼きに入れると味がぐっよくなるものです」
「解りました。ひとまず会わせてください」
こんな会話があったかどうか。よく覚えていませんが、「解りました」と言ったものの会ってみないと解らないので、いつもこのようにお伝えします。
ということで、この味本舗の秋田社長と4月30日お会いすることになりました。
独立当初、ランチェスター経営の竹田先生からは、経営指導はまだまだ早いのでやらないようにと言われました。
確かにその通りです。
それまで経営者という立場ではいましたが、指導するなんてとんでもない。やるつもりもありません。
そこで最初は、(今もそうですが)ランチェスター戦略を伝えていくことから始めました。
独立直後から戦略社長塾というのをやっていますが、この講座ではランチェスター戦略を伝えながら原理原則を理解して頂きながら、参加した皆さんの今までの経営を検証していきます。
こういうことをしていきますと、自然と自社の課題が見えてきます。私の経営指導は、この戦略社長塾の延長線上で場所がお客さんの所に代わっただけというつもりで始めました。
でも、こんなことを8年も続けていますと、経営の原理・原則がすっかり頭に入り、突然指名されたとしても2時間ぐらいは原稿なしで話ができるようになってきました。

今回の秋田社長との面談のように初めてお会いするようなときは、今までどのような考え方で経営をされてきたのかを知るために、それまでの状況をお聞きします。
そして私は自分の頭の中で、経営の原理原則に照らし合わせて、問題点を整理していきます。
通常次に行うのは、経営の原理原則、戦略と戦術の違い、弱者の戦略、強者の戦略の違いを解説していきます。
但し、あまりに切羽詰った状態であったり、原則を理解する体制が出来ていない場合は、小難しいことを解説しても聞いてもらえませんので、話をせずに対策の検討に入ります。
1つ2つ対策を打って成果が出てから、解説をします。
秋田社長の場合は、緊急性もあると判断しましたので、簡単に経営の原則を伝えることにしました。
そして市場調査をお願いしました。
この味という調味料は、老舗のうどん屋さんが利用されていてその隠し味に使われているものです。
どうやって広がっていったかといいますと、師匠の味を引き継ぐ暖簾(のれん)わけです。
こうしてうどん屋さんが、増えるたびにお客さんが増えていくのです。
ところが、うどん屋さんが廃業していくと逆にどんどん減っていきます。
相談があったのは、これが原因だったのです。
私は、調理人が味を変えたがらないというもの知っていました。

といいますので、いくらいい味でも今までのレシピを変えるというのは、料理の手順が全く変わってくるわけです。
味は勿論のこと、分量、入れるタイミングなどわざわざそうするためには、よほどの理由が必要です。
ですので既にあるお店へ営業を掛けるのはかなり難しいと考えていました。
やれるとすれば、新しいレシピの提案です。素人からの提案を受け入れてくれるほどプロは甘くありません。
そうすると、個人に販売していく必要があります。とは言え今までの販売形態で個人に販売するのも非常に難しいのです。なんせ商品は「この味」だけ、営業は秋田社長だけ、店舗はなく工場だけなのですから。
私自身も個人販売を勧める勇気が出ませんでした。
そこで市場調査を依頼したわけです。
どちらかというと市場を探すための調査ではなく、市場をあきらめるための調査でした。
調査の内容は予想通り、プロへの販売はかなり難しいものばかりでした。
これはいよいよ個人に販売していかなければならいと思い始めたのです。
これは大きく客層を変えることになります。商品が同じで、客層を変えるというのは3番目の難しさで3年は掛かると言われています。できれば避けたいと思っていたのですが、この調査で避けられないと腹が決まりました。
とは言え、営業経費としてもほとんど掛けられない状態です。どうやってテストマーケティングを行うか。かなり悩みました。その結果考えたのが宅配牛乳のルートにお願いすることです。ここで個人客にどの程度の反響があるのかを、見てみたいので提案してみました。
ところが、「以前やったことがあります」という返事が返ってきました。私は、以前行ったという内容を聞きなおしました。すると何点か改善する余地がありました。
一つ目は、チラシを配布した回数です。継続的に配布していないので、本当のところが解らない。
2つ目は、地域が限定されていなかったことです。チラシの配布地域が広くこれも反応がよく解らない。
そして最後が、チラシの内容です。個人向けに訴求するチラシにすればまだ可能性がある。これらを秋田さんに説明し実行してもらうことになりました。
それ以外に弱い点は、販売店舗がないことです。その販売ルートを探すに当たって営業の手順も一緒に勉強していきました。
秋田社長の凄いことは、直ぐに実行して結果を出されてくることです。
経営は実業ですので、机上でいくら考えていても何も成すことはできません。決めたことを直ぐに実行すればするほど、次の手が打てます。

『打ち合わせて対策を考え、実行してきてもらう』こんなことを、1ヶ月ぐらいの間隔で行ってきました。その秋田社長を、お客が増えるプロダクションの村上さんに取材をして頂きました。

その後どうなったかは、この取材記事でご確認ください。

社長に身に付けて欲しい4つの講座

ランチェスター経営竹田先生のことを知ったのは、独立の数ヶ月前です。
最初に見た戦略社長塾のビデオが衝撃的で、経営にも原理原則があり、しかもそれがそれほど複雑ではない単純なものであることにも驚きました。
その後、どこまで続けられるか解らないですが、何も考えずに続けてきました。
そんな中、最低限経営者の人に知ってもらわなければならないことがあると思うようになってきました。
その一つ目は、中小企業の利益性の悪さです。中小企業の従業員一人当たり純利益は黒字企業の平均が30万円弱です。
この数字は一人当たりですので、従業員が10名なら300万、税引き後ですので、経常利益は約600万円必要です。
これが中小企業の黒字企業の平均です。
この数字は結構高い数字に思う方もみえますが、さらに上場企業に比べると一桁少ないのです。
中小企業の場合、食っていくだけで精一杯。将来のための利益蓄積などほとんどできていないのが現実です。
これだと、景気の変動、今回の震災などの影響が出たときに直ぐに経営危機になってしまいます。
中小企業の社長は儲けることを、もっと真剣に考えないといけないと知って欲しいのです。
二つ目は、その儲け方です。裏返すと利益性の原則です。
儲けと言うと今取引あるところに、高く買ってもらうことを思い浮かべてしまうかもしれませんが、そうではなくて井原西鶴が言っている最上策のことです。
最上策とは、『人のしないことをうまくやる』ことです。
上策とは、『人のしないことを普通にやる』ことだそうです。

要は、他社がやっていないことで、お客さんの役に立つこと探し出すことですね。
3つ目は、戦略と戦術の違いです。戦略と戦術というとちょっと難しいですが、社長がやるべき仕事と社員がやるべき仕事の違いです。
誰でも作れて、誰でも売れるようなものを手がければ、価格競争が起こり利益性は低下します。
利益性が高くなるためには、何を作り何を販売するかは、経営者が決定します。これは社長がやるべき仕事です。目的目標を決める仕事です。
もう一つは、どういった戦略で運営するかという仕組み作りです。
4つ目が、経営の本質を知ることです。
経営の本質は、ドラッカーも言っていますように、顧客創造です。
5つ目が、経営の8つの要因です。経営の重要なところは色々とあると思いますが、たった8つのことを考えるだけで経営のことがよく解るんです。
最後が、弱者の戦略と強者の戦略の違いです。

特に弱者の戦略は、どのような考え方で経営していくかをという定石を習得する必要があります。
こういった経営原則に関することをまず知っていただきたいと思います。
それからこれらを応用する地域戦略、営業戦略、顧客(維持)戦略の3つです。
ランチェスター戦略を自社に応用するには、たくさんの事例が必要になります。
そのきっかけとして、この3つの戦略を学ぶのはとても効果的です。地域戦略は、元禄13年に長崎県の対馬(つしま)で、8万頭もの猪を全滅させた陶山訥庵(すやま・とつあん)の究極の地域戦略をモデルにして学習します。この猪退治の全貌は、1回当たりの取引高が小口になるレンタルマット、保険業、ルート販売などの業種では、特に重要ですがその目標達成の手順はどんな業種にも適用できる戦略です。
営業戦略で、知って頂きたいことはまず営業の構成要因です。営業っていうのは、特徴のある商品を適当にお客さんに伝えて売る程度のことだと私も考えていました。しかし経営というのは、何十年も続きます、しかも十人十色の能力の違った人が運営していくものです。
普通の人が、普通にやっていて最高の能力を発揮できるようにするためには、営業の仕組みが必要です。
ですので、この営業戦略は外せません。さらに広告の使い方、ダイレクトメールの使い方を具体例通じて研究します。

段階を踏んで、一つ一つ反応を確認していく方法は、営業があまり得意でないという方でも理解しやすく自社の仕組みに落とし込みができます。
そして最後の仕上げが顧客(維持)戦略です。
お客さんを作っていくには、お客さんに不便を掛けているところを見直すこと。お客さんに感謝を伝えること。そしてお客さんに役に立つことをすることです。
最後に、お客さんとの接触する回数を増やすことです。
そうすれば必ずお客さんの数が増えていきます。
これを継続できる仕組みを作ることです。
講座の中では、お客さんの不便を掛けているところを見直していきますが、特にお客さんと接している名刺、封筒、電話の受け方などを中心にチェックしていきます。感謝を伝える仕組みは、ハガキを戦略的に利用した神社、防府天満宮の事例を研究します。
以上の経営原則、地域戦略、営業戦略、顧客(維持)戦略は経営する上で、知っているのと知らないのとでは雲泥の差です。なんと言っても迷いがなくなります。仮に問題が発生してきたとしても、判断が物凄く早くなります。そんなこともあり、戦略社長塾では、この4つの講座を中心にやっております。
これに加えて商品戦略、ランチェスター戦略のハードの部分を勉強すれば鬼に金棒です。
5月から始まるコース日程は、同封の資料を参照ください。

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