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メンター通信 第13号

発行日2005.1.25

たった50円でも、熱烈なファンは作れる

一月十日の夜。唯一の社員の家内が
「あれ?宮崎さんとこ、切手を送り返しているんやね。」
「えっ、凄いなあ」
「これは貰ったお客さんは感動するでぇ〜」
私は、思わずそう言った。
実は、私の会社では昨年末より宮崎本店さんのアンケート集計をお手伝いしています。
この会話は、そのアンケートの意見欄に書いてあった内容を読んだときの出来事です。
そのアンケートには、
『昨年、切手をはって送ったため、わざわざお送りいただいて。ご迷惑をおかけいたしました。今年は当たるといいなと。』
とありました。
アンケートハガキは、受取人払いですので切手を貼る必要がないわけです。
それをお客さんが間違って五十円切手を貼り、出したのです。
投函したお客さんにしてみれば、多分五十円程度のことは、忘れてしまっていることでしょう。
ところが突然、宮崎本店さんから封書で届いた。
私には、封書を開けてびっくりした顔がすぐ想像できました。
担当者の美濃部さんは、昨年のアンケートのとき、これに気づき出来る範囲で送り返し始めたそうです。
こんなことを一担当者が、さりげなくやってのけるんです。

もっと凄いことに出会いました。
実はこの記事を書くに当り大胆にも、私は宮崎社長にメールをしたのです。
私のニュースレターに載せても良いかどうかの確認です。
それが十日の夜の十一時過ぎでした。
そうしたら、その回答が翌日の朝八時二十七分に帰ってきました。
誰からだと思いますか?
担当者の美濃部さんからなんです。

宮崎本店さんは、確か八時に開始だったと思いますので、たった二十七分間で、社長の了承を得て私のような何の得にも成らない記事に回答を頂けるなんて。またまた感動させられてしまいました。
ここに秘密があったのです。
会社の究極の目的ってファンを作ることだったんですね
このアンケートの声を聞かせて頂いてもう一つ大切なことを教えて頂きました。
次の2つの意見を読んで下さい。
『以前「生粋」を東京の知人に飲ませたところ「見事な酒だね」との評を貰いました』
解りますか?
知人に、飲ませるんです。
自分の会社の営業が自腹を切って薦めるなんて普通やりませんよね。
それをお客さんが、やってくれるわけです。
しかも、自分の商品でもないのに、褒められたことを喜んでいる。
こんなお客さん欲しくはないですか。
次にもう一つご紹介しましょう。
『三重を代表するお酒ということで宮の雪を京都の義兄に贈ったらそれ以来毎年楽しみにしているからと言われ嬉しいやら毎年必ず忘れずに贈らないと(中略) よほど味が良かったようです。』
これも同じく、自分のことのように喜んでます。
自分で買って自分で飲まずに、その人は宮崎本店の味を味わっているんです。
いやぁ。参りました。
これはもう熱狂的なファンです。
こんな意見を何百枚とコンピュータに入力しながら自然と目に入ってくると、不思議な気持ちになります。
この酒飲んでみたいなあ。
さらに、こんな会社で働いてみたいなあ。
そう思うのは、私だけでしょうか?
働くことはできないので、早速お酒を買いに走ったのは言うまでもありません。
会社の目的は、ファン作り。
そのファンとは、お客さんだけでなく、社員、地域の人だったんです。
それには、何十年掛かるかも知れませんが、チャレンジして余りある目標だと思います。これは絶対に間違いない。
なぜならお客さんが多すぎて、潰れた会社は未だかつて見たことがないからです。
最後に、この記事を書くにあたって、快く了承いただきました。
宮崎社長、美濃部さんに心から感謝を致します。
二月から四日市市になりますが、楠町の誇りには変りありません。
これからも、うまい酒を提供してください。
有り難う御座いました。

経営者の仕事が、「楽?」

この葉書に書いてある通りすれば、三流の経営者でも一端のことが出来きますよ。
私は、ゾクっとしました。
一月十三日の中小企業家同友会の一月例会でのことです。
一代で上場を果されたココ壱番屋創業者宗次先生の講演の中で取り上げて頂いたんです。
この私の葉書が・・・
当日は、夜六時半からの講演でしたが、直前に先生と我々スタッフの打ち合わせがありました。
一通りの話が終わり、宗次先生の息子さんの話に移りました。先生はゴルフを覚えたことが唯一の失敗とい言われていました。
しかし、息子さんはプロテストに受かったそうです。
どうせやるなら、職業にしてしまわないといけないんですね。
先生は次のように言われていました。
「スポーツ選手や音楽家は厳しいですよ。
音楽家などは、音楽大学出て留学して修行をしてくる。
いい技術を持って戻ってきても発表する場がない。」
「楽器だって、高いですよ〜」
「ストラディバリウスなんか、いくらだと思いますか」
そこでボッっと
「それに比べると、経営者は、楽ですよ」
「えっ〜。」

経営者が楽?こんなこと言われた方は初めてです。
そう言われると、スポーツのように競争は厳しくないし、クラッシック音楽のように市場が狭いわけでもない。
楽といえば楽かもしれません。


もう一つ印象に残った言葉で、
「経営は簡単にしなければ、簡単に!シンプルが一番」でした。
カレー専門店というとどうしても、あれもこれもメニューを増やし凝ってしまう。
他のカレー専門店となんら変わらなくなってしまう。
「美味しいものを、心を込めて提供すれば、お客様に支持される」
これを忘れてはいけないとおしゃってました。
ランチェスター経営の稲田先生も同じことを言われていました。
簡単が一番。シンプルが一番。
講演の前半部分で取り上げられた葉書の内容は次のようなものです。

中小企業の成功戦略十三ヶ条(十二から十三)
十二.時間は唯一平等な経営資源。
者は朝型を中心に、必勝の3,200時間、圧勝の3,700時間を本業に集中して投入せよ。本業と関係ないことに時間を使うな。
十三.これで1位になると決めたら簡単にあきらめるな。当初思っていた期間の2倍から3倍は続けてみよ。必ず何かを成し遂げる。
番外。弱者は調子に乗るな。小さな成功で生活内容を変えるな。

この内容が葉書の下半分のところに印刷されています。
私はこの講演会に家内を呼びました。
(残念ながら私は主催者のため講演が終わるまで会えずじまいでしたが)
一昨年の一一月に会社を立ち上げるまで専業主婦だった家内が、
わかりやすく商売の原点がわかったと言っていました。
思い起こせば、昨年二月二四日竹田先生の応援でセミナーを開くことができました。
年が明けても、全然お客さんが集まらず。
これからのビジネスも先が見えず、年末年始を不安のまま過ごした覚えがあります。
私の自宅事務所は二階にFAXが置いてあります。
普段は一階で過ごしています。
二階でピーとFAXの音がすると
そのたびにダッーと走ってきます。
あれ?同友会からの案内か。
ガックリ。

一月八日一九時、また二階でピーという音が、
「あったよ〜。申込!」
私は一目散で階段を掛け降りて、家内に報告しました。すると彼女はそっけなく
「あっそ、それは良かったね」ですって
レカムエイト河内社長からの申し込み。第一号です。
先生の講演をお聞きして、あのときのFAX音を思い出しました。
「7年経っても8年経っても、この気持ち絶対に忘れるな!」
「1年ぐらいで、お前ちょっと気を抜いてないか」
そう先生に戒められた気がしました。
お陰さまで原点に返えることができました。
「コツコツ調子に乗らずやらねば」と改めて心に誓った講演でした。最後に
一一〇名もの方にお集まり頂き、本当に有り難う御座いました。

桑名高校商業科、最後の授業

ご縁とは妙なものです。
桑名高校は今年の三年が最後の商業科になります。
昨年年度初めに桑名高校の先生よりパワーポイントを使ったプレゼンテーションの授業をしてもらえないかと連絡がありました。
私が以前勤務していたアマノシステムの時にお世話になった先生からの紹介です。
打ち合わせに向かい担当の先生を紹介して頂くと、楠中学校出身で私の一年下と言われ、私はなんとなく覚えていました。
しかし、私は当時全然目立たない存在でしたので、先生は覚えていないとおっしゃっていました。
最後の授業に呼ばれたことといい、なんだか妙な縁を感じました。
今年に入って、生徒の作品を見させて頂きましたが、かなり凝った作り方をしていて、多くを伝えよとして、結局何を伝えたいかがどうも解りにくい。誰もが失敗することです。
そこで、全員三十数名一人ひとりにスピーチのトレーニングをすることにしました。
指導の要点は、次の2つです。

  1. 伝えることは一つにする。
  2. 具体的な出来事から始める。

その成果をPTA、卒業生などオープンに募集し一月二十七日に発表します。
ご興味のある方は、桑名高校商業科にお問合せください。

お客様は、なぜ自分の会社を選んでくれたのか?

最近、社長塾や個別相談で聞くようにしていることが、この質問です。
お客様は、数ある同業者の中から、
どうしてあなたの会社を選んでくれたのですか?
この質問をすると、よく返ってくる答えが
品質、技術、サービスが
良いからと答えられます。

実はお客さんに聞いてみると意外な答えが
返ってくるときがあります。
近くにいたから、あんたとこしか知らんし。
他に頼むのは面倒なんで。
自社の強みがこんな拍子抜けしてしまう言葉が返ってくることがあります。
私が営業しているときに、お客さんがなぜ買ってくれたかという質問で多かった答えが、
「あんな、ええタイミングで入って来たからね」です。
そうなんです。
「あんたの営業がうまいから、買った」なんて言うお客さんは一人もいませんでした。
考えてみれば、そうです。
営業のうまいセールスが来たら、その時点で警戒してしまいます。
なのにセールスマンは、営業の話術を上げようなんて努力してしまうんです。
それはさておき、
社長塾の参加者の方で、何故かわからないという方も結構見えます。
でも、何か理由があるのでは。と聞くと
「技術力かなあ。」
「では、私が同じようなものを作るとこは可能ですか」
「お客さん欲しさに、無理して安く提供したら私からそのお客さんは買うと思いますか。」
「買うやろね」
「じゃあ、技術力ではありませんね。」
「では、今競合している会社さんはありますか」
「五社ほどあります」
「その五社の技術者の人数は?」
「大体二〜四名かな」
「それです。」
実は、発注側からすれば、値段が同じで品質も大差なければ、安心して頼める。
「安心して頼める」の中に、仕事を請けてくれる確率が高いというのも要素の一つだったのです。
それで体制の一番整っている会社に発注しているだけです。
実はこのことが大切なんです。
競争相手の2.83倍以上の体制をとることで、お客様はあそこにまず聞いて駄目なら次に頼もう。
こう連想させるように仕向けたわけです。
差別化という言葉を聞いたことがありますか。
競争相手と違うことをするということです。
差別化するというと直ぐに、商品の違いを連想しますが、商品以外でも差別化する点があります。
そうです。今上げた例は、組織で差別化した例です。
竹田ランチェスターでは、差別化の要素を考える場合、以下の八つの要因に当てはめて考えます。
1.商品
2.地域
3.客層・業界・販売ルート
4.営業対策 5.顧客維持
6.組織 7.資金 8.時間。以上の八つです。

この八つは同時に、社長の研究テーマでもあります。
他のところと同じようなことをしていて、差別化しているところがないということは、逆に言えば強いところが一つもないということになります。
強いところがないというのは、お客様や、社員に伝えるメッセージがないということにもなります。
お客様がその会社や店から買う理由がないのです。
以前でしたら、消費者側に買う理由は一杯あったわけです。
豊になりたいというのもその一つです。
ところが、今は消費者側に買う理由はない。そこで店側で理由を見つけなければならないのです。
一度8つの要素でチェックしてみてください。

  1. 競争相手と比べて商品の差別化はできているか。
  2. 地域の差別化は出来ているか。
  3. 客層の差別化は出来ているか。

出来てないとすると、何から差別化するのか。
この研究をするのが社長の仕事の最も大切な部分です。

アンケートご協力有難うございました。

前回のニュースレターに引き続き同封させて頂きましたアンケートにご協力頂いた方が見えます。
一ヶ月近く、手元において頂いていたというのは本当に有り難いお話です。
有り難う御座いました。
東邦地水 伊藤重和様

出逢いイベント予報(あくまで予報です確認願います)

・三重県中小企業家同友会北勢支部二月グループ会。
壱番屋関谷幸伸氏座談会
二月一〇日(木)一九時〜
問合せ:三重県中小企業家同友会(0593-51-3310)
会場:日永カヨー 参加費無料
・三重県中小企業家同友会北勢支部二月例会。
「オレ流・会社の育て方」ずばりホンネで語ります!
二月一六日(水)一九時〜
問合せ:三重県中小企業家同友会(0593-51-3310)
会場:四日市文化会館

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