メンター通信 第57号
発行日2008.10
製造業でも、ランチェスター戦略!
7月、経済団体の中小企業家同友会の例会で、凄い会社の社長とお会いすることができました。
その方は、愛知県の同友会の副代表理事を務められているエイベックスの加藤社長です。
製造業しかもトヨタの協力会社と聞いておりましたので、正直なところ組織とか、経理理念とかが中心になるのではないかと思っていました。
報告を聞いているうちに、加藤社長の言葉の端々に、営業とかシェアとか、ナンバーワンとか、私にとっては聞き慣れた言葉が飛び出してきたのです。
たとえば、営業力を強化するために、コスト削減をする。
さらに、「勝ち残る経営」より「勝ち進む経営」。この言葉には参りました。
「勝ち残る経営」というのは、ライバル会社から奪い取る経営と定義されていました。
「勝ち進む経営」とは、自社の強みを分析し、あるべき姿を目指す。つまり差別化するということです。
ランチェスター戦略を勉強されている方は、すぐに解ると思いますが、前者は同じ土俵(市場)で力対力で人のお客さんを奪い取る強者の戦略そのものです。
後者は、自分の一番強いところをより強くし、その力を最大限に発揮できるところに投入する弱者の戦略そのものです。
加藤社長は、この後者を進められていました。
この辺りまで聞いた私は、これは面白い。と思わず身を乗り出してしまいました。
そうしましたら、矢継ぎ早に「業績を良くするには、他社と差別化しなければならない」
「おっ、絶対弱者の戦略だ。これは」私は、確信しました。
さらに「本業で特色をだす」「専門部品に特化して、シェアを取る」
そしてオートマチックトランスミッションのスプールバルブに特化されたそうです。
そして遂に世界シェア8%を達成。
まさに弱者の戦略の手本です。
通常製造業で、しかも協力会社という立場で、弱者の戦略を貫くのは大変なことだと思いますが、あるんですね。
そういう会社が、世の中には。
私は加藤社長にどうしても、このことを確かめたくて、懇親会が待ち遠しくて仕方がありませんでした。
同友会名物のバズセッションも終わり、私はそのチャンスを虎視眈々と狙っていました。
まさに、懇親会が始まろうとしたとき、加藤社長に駆け寄り、名刺交換をして頂きました。
そうしましたら、加藤社長が、私の名刺を見てすぐに、「ランチェスターをやっているの、竹田さんの話は、九州で聞いたことがあるよ。確か同友会だったよ」
私の話は、もう終わってしまいました。
翌月工場見学と加藤社長の話を聞く会が予定されていましたので、直ぐに申し込みました。
工場に行ってまた、驚きです。
製造業なので、工作機械などは当然必要になりますが、新品を買ってくるということはしないそうです。
中古というか。スクラップを数台買ってくるそうです。
スクラップのうち一番ましなものを選び、他は部品取りにして、自分達で使えるようにするそうです。
その理由が、普通なら経費節約。もちろんそれもあると思いますが、思いもよらぬ答えだったのです。
「工作機械メーカーの物をそのまま使っていたら、自社独自の物は作れないよ。
こちらが、こういうものを作りたいので、機械をこんな風に改造してくれと言うぐらいじゃないと」差別化ですね。
タニサケの松岡会長のところも、このように自社で製作する機械から改善をしていました。
フランチャイズであっても、業績の良い店は特徴を出すために、接客や清掃など出来る限り他との差別化をしています。
基本はあると思いますが、その中でも自分のところ独自のやりかたを見出していくところが業績の良いところです。
営業のやり方もしっかりと仕組みが出来ていました。
」
営業の一番うれしいのは、お客さんから、出向いてきてくれて仕事を持ってきてくれるときです。
それを「ありがとうございます。直ぐにやります」という風に言ってしまいそうですが、加藤社長ところでは自社の戦略に合った仕事かどうかを判断するそうです。
事実中国からの大きな仕事を断ったそうです。
相手の戦略が強者の戦略だったら、よほど上手くやらないと巻き込まれてしまいます。
それでは、どうやって営業をしているかですが。
会社に訪問をして、直接その会社の悩みや課題を聞いてきます。
そのときは、見積もりなどの話は一切なしです。
そもそも見積もりが出来ない人が行くそうです。
これは接近戦というやつですね。あの伊那食品の塚越会長も、まったく同じことをおっしゃっていました。
接近戦から、一騎打ち戦に持ち込むまで勝負(見積もり)は出さないのです。
ゆっくり時間を掛けて、長期戦です。
競争相手を作らないように、作らないようにして、そして脱落していくのを待つのです。
それで一対一になってから、勝負です。(ちょっと表現が悪いですが)
それにしても加藤社長は、よく勉強されてそれを実践されている方だと、関心をしました。
またお会いできる機会を作り、為になる話を聞いてきたいと思います。
たった1時間で102人を入会させたパワーの秘密
先日5年ぶりの健康診断を受けました。
ご存知の方もみえるかもしれませんが、私は独立直前に受けた健康診断で大腸ポリープと診断され、独立で社会的地位、収入と同時に健康まで失くしてしまったのか。と失意のどん底でした。
それ以来私は、健康診断を受けるのがどこか怖いという気持ちがあり、避けておりました。
それが丁度一年前、聖路加病院院長の日野原先生の講演を津市で再び聞く機会に恵まれました。
最初は、フジゲン横内会長と橋本京子先生からのご紹介で松本の新老人の会のジャンボリーでした。
昨年の津市での講演の冒頭で、先生が「私はねぇ。先ほど桑名で
命の授業というのを子供たちとやってきました。」
「そして今、私はこうして講演をしていますが、一日1300カロリーですよ」衝撃的でした。
私の仕事は、2時間ほど社内研修や講演をするのがほとんどですので、「話をするだけだから、楽な商売やなぁ」と思われるかもしれませんね。
これが意外に大変なのです。
1つの講義が終わると頭が、ぼ〜っとして、5分ほど仮眠を取らないと次の行動が起こせなくなるぐらいです。
体力は使っていないと思うのですが、血糖値が下がってしまうような感じです。
そんなこともあり、私は講義の前には、甘いものをつまみ食いをしてから、スタートします。そうしないと腹に力が入らないし、よい講義も出来ないと思っていたからです。間食が多く一日四食食べているようなものでした。
しかしその結果、腹回りがメタボサイズ、BMI値も肥満の一歩手前でした。
娘や周りからも揶揄されていたのですが、仕事のためだから仕方がないと自分を納得させていたのです。
ところが97歳と年齢の違いこそあれ、日野原先生のこの講演での一言は、衝撃的でした。
言葉というより、目の前で動き回る姿が衝撃でした。
それ以来私は、講義前の間食を止めて、同時に腹筋60回、そしてダンベル体操を始めました。
それが昨年の8月です。お蔭様で体重は5キロ、腹回りは8a少なくなったのです。お蔭で健康診断の結果は良好でした。
その日野原先生の講演が、今年8月今度は四日市で行われました。
主催は新老人の会という日野原先生が2000年に立ち上げられた会で、四日市文化会館の第一ホールに1800名が集まりました。ほとんど宣伝もなく、1800名です。
新老人の会は全国で10818人が入会されていて、75歳以上がシニア会員、74歳以下60歳までがジュニア会員、59歳以下はサポート会員と呼びます。私は新老人の会のサポート会員として、お手伝いをさせて頂いております。
三重支部に所属しておりますが、大変可愛がられています。息子みたいなものですから。
この講演会の企画では、5月頃からお手伝いをさせて頂いておりましたが、当日は受付を担当しました。
受付をしていると沢山の知人、有名人とお会いすることができます。鳥羽水族館の中村館長もそのお一人です。(その後の反省会で、館長とも話が出来ました)
当日一番嬉しかったのは、講演会後の懇親会のことです。
井上四日市市長の奥さんから、「岩崎さん、貴方も写真に入って」と声を掛けられたことです。
裏方のつもりでしたので、挨拶もせずに走り回っていたのですが、名前を覚えてもらっていて、感激しました。
講演会は2部構成で、1部で日野原先生の講演が1時間ほどありました。最後に日野原先生が第一ホールの一番下から、階段を駆け上がったパフォーマンスには驚きました。
その影響もあったのか、なんと102名が1部と2部の間で入会されたのです。
新老人の会でも、今までの54名を大きく上回った新記録だそうです。
早速、私はこのことを横内会長に葉書で知らせました。
そうしましたら、返事が返って来たのです。
その葉書は、人が集まってくる訳は一体何か?という文で始まっていました。
「それは先生の魅力です。あの人のような生き方をして見たい。あの人のように尊敬され慕われて生きたい!そういう願望があるからではないでしょうか。」
確かに、私も新老人の会に出席すると、「どうせ80歳まで生かされるのなら、こんな人たちみたいにビジョンを持った80歳になりたい」といつも思って帰ってきます。
人は、親切心から「お前は、昔からそうだからXXXを直せ」といってしまったりします。自分のことはさておきです。
それよりも、組織を良くしていくには、まずそのリーダーが憧れれる行動を起こすことなのだと日野原先生を見ていて思います。
それにしても、新老人の会のメンバーからは学ぶことが多いです。
こういう機会に出逢ったことに感謝しています。
磯部社長「北川八郎先生を語る!」
以前からお付き合いのあるイソコーポレーションの磯部社長から、北川八郎先生講演会を薦めて頂きました。
私自身よく解っていないので、「磯部さん、自分の言葉で伝えてください」とお願いしたところ、名古屋から四日市まで出向いてもらいインタビューさせて頂くことなりました。
既に『ウィクリートーク』としてホームページにアップしてあります。試聴してください。
北川先生の著書には、繁栄の法則という書籍があります。
ヒューマンフォーラム出路社長は、次のようにこの書籍を賞賛しています。
「お会いさせて頂き、一段と大〜好き!になっちゃいました。
今後も定期的に北川先生の所へ通い、色々学びたいと思っています。
本の内容はタイトルの通り、繁栄し続けるための法則が書かれています。『感謝は返してはじめて成立する(返謝)』とか、『ほんの少し自分が損をして生きることで、徳を積んで生きていける』とか、人を喜ばせて生きることの大切さを解りやすく書いてあるように思います。なんと著者の北川八郎先生は、今までに40日以上の断食を二回もされている方で、北川仙人と呼ばれておられるくらい、人間を卓越した仙人のような方ですよ。」
「学ぶことは、良いことだが、実践できなければ単なる自己満足になってしまう。継続しなければ成果は出ない。」
いつも、こうして自分自身を戒めています。
『感謝は返してはじめて成立する(返謝)』皆さんは、感謝をどうやって、伝えていますか?
それも、相手が喜ぶ形で・・・。
北川先生の話を聞かれて、得たことを実践されることを祈って、今回このレターでお知らせします。
詳しくは、同封のチラシをご覧ください。
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