トップ>メンター通信バックナンバー>メンター通信 第49号
年末掃除をしていましたら、電話が入りました。 お客さんにしては、おかしいなぁと思いながら電話に出ますと 「ランチェスター経営、竹田です」という声が聞こえてきました。 「FAXを送ったけど着いていないかい」 そのFAXとは、年末に作られた経営計画の教材を使ったセミナーの案内です。 九州まで受けに来いということか。と思いながら電話を続けました。 「そんなセミナーをするんだけど、岩崎さんのところでやってみんね」 4回シリーズの勉強会で、3時間半程度。内容は経営計画の立て方です。 定員は10名程度。 詳しい話を聞きますと、竹田先生が直接コチラに2度ほど来てもらえるということでした。 私は2月に経営計画のテキストを使って2回シリーズの研修会をする予定でしたので、その旨をお伝えし、3月後半か、4月ぐらいにお願いしました。 まだ日程調整など、詰めなければならないことがたくさんありますが、この機会を是非活かしたいと思います。 経営計画というと直ぐに売上をどれだけにするという数値計画を思い浮かべられる方が見えると思いますが、2月、それから竹田先生と開催する経営計画のセミナーは、ほとんど数値の計画は立てません。 実行計画が中心です。戦略が中心です。 売上計画をいくら紙に書いても、それを達成する手立てがなければ何の意味もないからです。 「宝くじを当てたければ、当りくじを買えばいい。」というのは答えになりません。 経営計画を立てる目的は、業績を良くするためです。 業績を良くするには、まず初めに、何と何に対して計画を立てるか、計画を立てるべき大事な項目を、改めてはっきり押さえ直す必要があります。 次は、利益性の善し悪しが根本的に決まる、利益性の原則も、改めて押さえ直すことが欠かせません。 そのあと、利益性の原則と戦略の原則の2つを考えた上で、経営の大事な要因1つ1つに対して目標を定めたり、実行の方法を考えていくことになります。こうすると実践的で役に立つ計画書が早くできあがります。 あなたの業界の適正利益はおいくら? そんなこともあり、まずこの紙面でプレセミナーをやりたいと思います。ドラッカーは現代の経営の中で、利益の第一の機能として「事業の仕事ぶりを判定する尺度である」といっています。 では、皆さんの業界の適正利益はいくらぐらいだとお思いですか。 一つ一つの商品やサービスの利益率は差がありますので、一人当たりの粗利益額でいくらぐらいかを考えてみてください。 私の業種では、851万円としています。 適正といってよいのかどうか分かりませんが、最低ラインと置いています。 この数字は、TKCという税理士さんの団体が出している数字で、黒字の平均値です。 まずこの数値クリアをする必要があります。 なぜそう考えるかといいますと、答えはパレートの法則にあります。 固定給無しの完全歩合制の元では、パレートの法則が成り立ちます。 パレートの法則によれば、上位20位で業界の売上の75%、10位までで50%を占めています。 10位で真ん中、20位で中の下辺りです。 それと現在の黒字企業の比率、35%と考え合わせますと最低でも黒字の平均が経営環境で戦っていくには必要と考えたからです。 給料だけ払えれば御の字だと考えれば、そこまで必要ないという方もみえるかもしれませんが、次の商品の開発、新規顧客の獲得などを考えていくとどうしても必要なラインです。 なお優良企業のデータもあり、私の業界では黒字企業の1.3倍も一人当たり粗利益額があります。 私は、この数字を見るといつも、まだまだ上には上がいる。業績をグッと上げるには、もっと崇高な目標(業績を上げて、それからどうするのか。という)を持つことが重要だと感じます。
自社を見つめ直すのはやはり決算書です。 でも決算書を眺めていても、結局よいのか悪いのかが分かりません。 とは言え、我々は会計の専門家ではないので色々な指標を分析することは、そう簡単ではありません。 そこで、3つのポイントに絞って、決算書をみます。 すると自分の会社の状態がよく分かります。 1つ目は、一人当たり経常利益です。 パート・アルバイトは0.5人で計算して、一人当たりを算出します。これは1年間でどれだけ稼いだかを表します。 次に、一人当たり自己資本額(資本金+積立金+繰越金+当期利益)です。これは今までの利益の蓄積度合いを表しますので、今まで何年も社長業をやってきて、やり方が正しかったかどうかを確認します。 そして、それぞれ業界平均(競争相手)と比較し、自分の会社の状況を把握します。 業界平均の3倍あれば勝ち組です。 一人当たり自己資本額は、業暦が古いと当然高いので、業暦の浅い会社は黒字平均の平均と比較しますと比較できませんので、下の式に従って、業暦に比較して順調に来ているかを判断します。 法人化されていないところは、この2倍を貯金できたかどうかを比較します。 3つ目は、自己資本比率です。 会社運営をするために必要だったお金は、総資産で表されます。 そのうち自分の資本で何%まかなっているかが自己資本比率です。 この比率の危険値は15%以下。利益性との相関関係が出てくるのが40%〜60%の間。どの値を目指すかは自分の業界の平均と比較して、何倍にするかを決めてください。 では粗利益を多くするには 粗利益を適正に上げるのには、どうすればよいのか。 塚越会長曰く、市場を創ることだとおしゃっていました。 『競争が無いところでは、自分の適正な利益を取ることができる。』 伊那食品さんでは、用途開発をやっているとのことです。 徹底的にお客さんの要望を聞いて廻るそうです。 これは共にランチェスター戦略・弱者の戦略です。 戦わずして勝つ。そして接近戦。 開発をするには、時間とお金が掛かります。またメーカーでないところはどうすればよいのか。 商品・サービス、地域、業界または客層で強いところ1位のところを作ることです。本気で1位作りを目指すと目標が明確になります。やるべきことがはっきりします。 社員さんは、1位を作ることでやりがいを憶え、ブライドを持つことができます。 私たちは、これで1番になるんだ! とベクトルを合わせることができるんです。 アサヒビール中條名誉顧問の講演をお聞きしたいとき、逆転するために、スーパードライで逆転すると繰り返し、繰り返し言い続けたそうです。 (社長が宣言するには、経営の研究と強い思いが必要ですが。) もう一度整理をしますと、社長が情報を集め競争相手と自社との関係を考えて、『商品・サービス、地域、業界または客層のどこで1位を取るか。』目標を決定することが最初です。 次に行うことが、決定した目標を達成するために顧客維持対策をどうするか。営業対策をどうするか。組織をどうするか。 資金の配分をどうするか。を考えて行くのが早く業績をよくする手順です。 2月の研修、3月以降のランチェスターセミナーを通じて、皆さんの会社の経営を検証してみませんか。 (詳しくは同封のパンフレットをご覧ください。)
昨年末に送られてきた『理念と経営』1月号の表紙をみて、思わず。「おっ!」とうなってしまいました。そして次の瞬間少し寒気がしました。 と言いますのは、まず表紙に聖路加病院日野原先生とフジゲン横内会長のツーショットが載っていたのです。 そのツーショットに惹かれるように表紙に眼を向けますと伊那食品工業という文字が眼に入ってきました。 早速ページをめくり、まず横内会長の対談、そして伊那食品塚越会長の特集を読みました。 対談の初めに横内会長が質問者に徹するとおっしゃっていましたが、え〜っ会長が聞き手に徹する? まさか?と読み進んでいくとやっぱり、会長らしくよくしゃべってみえました。 日野原先生がいつの間にか聞き手になっているではありませんか。 (少しホッとしました) しかし流石に横内会長です、経営者のためになる質問をしっかりされていました。 伊那食品さんと特集は12月訪問時にお世話になった秘書の宮下さんの写真も載っていて興味深く読ませて頂きました。 なおかつ今月号の知致の表紙が塚越会長だと知らせれて、またびっくりです。 こんなご縁ってあるんですね。 ご三方共お会いして、思ったのですが直接会うというのは、考えられないぐらい情報が多く、しかも感情といいますか。心に浸みるといいますか。 講演会に参加するというものとも全く違う影響があるものだと感じました。 やはり興味を持ったら、特に一流の人とは絶対に会うということをお勧めします。 やっぱり自分の目で確かめて、自分自身が感じることが一番だと思います。 是非ともこのご縁をツキに変えて、運を掴みたいと渇望しております。
昨年末、四日市商店街の太田洋服店太田社長に無理をお願いして、インタビューを受けて頂きました。 ご存知の方もあると思いますが、昨年からウィクリートークと称して(実際は隔週です)ホームページで音声による情報発信をしております。 やはり事例が必要だというご意見があり、ランチェスター戦略を勉強された方に登場を願うことにしました。 太田洋服店さんの場合は、客層をどのように決定していったかという事例です。 お会いしたときは、婦人服、紳士服のオーダー、アロマの3つにそれぞれ力を入れられていました。 当時太田社長はまだ事業継承されていませんでしたが、四日市商工会議所さん主催の社長の勉強会で、本格的に勉強を始められました。そのときは社長の役割をお伝えしただけでしたが、その後直接定期メールや、イベントの企画などを相談しながら対策を打っていきました。当初は、時間が取れず定期メールも中々思うようなサイクルで出せないようでした。ところが紳士服のオーダーに的を絞ることで時間が作れ、現在では1ヶ月半に1度発行でき内容も男性(または夫婦)を中心に書いてきたので、みるみる上達しています。 イベントも確実に実行されています。 今度はファッションショーを行うそうです。 客層を絞るというのは、ほとんどの企業さんに参考になると思います。 ウィクリートークを参考にしてください。
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