メンター通信 第10号
発行日2004.10.23
いつの間にか広がる営業範囲!善か、悪か。
独立して直ぐの会社で、なんといっても欲しいのがお客さんです。
お客さんは、粗利益の大本ですから、一人もお客さんがいなくて商売が成り立つということはあり得ません。
私も、メンター通信のユーザーがほしいので名簿からデータ登録をコツコツ行い五百通を超えることが出来ました。
ところがいざ五百通になって、金額計算をしてみると一通百円としてなんと五万円。
「毎月五万円はキツイ。しかし五百名は最低ほしいし・・・」
「金額は仕方がないとしても、本当に読んでもらっている人にだけ送りたい」これが問題でした。
「そうかといって、不要な方はご連絡ください。なんて書いても読んでくれない人は連絡はくれない」
「となると、申込を受付ける、申込の無い人をカットする方法しかない」
「折角、五百名も集めたのに・・・・・そのときだけ見なかったということもありえるし」
実はひと月ほど、このことを悩んでいました。結局良い方法は見つからないまま時が過ぎました。
こういうときは、基本に戻るに限ります。
私の地域の中心と範囲は何処なんだろう。
一人で営業できる範囲は限られている。よく広げて四日市市内。
そう考えると津以南と県外はお客様のフォローさえままならない。
かえってお客様の満足度が低下する可能性がある。
よしここは一つ勇気をもって、津以南、県外にの封筒に申込用紙を入れよう。
対象は百二十通に達しました。その中で申込をして頂いたのは七通。
ということは、毎月一万円あまり捨てるところだったのです。
この一万円で宣伝をし、四日市市内に集中的にお客さんを作ることを決意しました。
と同時に、五百通という数でなんとなく安心をしてしまっていた自分に気づきました。今回カットしてしまったお客さんには本当に申し訳ないと思っていますが
今の自分の力では十分満足頂けることが
出来ないのも事実です。
悔しいが、断念せざるを得ません。
皆さんもいつの間にか自社の力以上に営業範囲が広がっていませんか。
そしてその対処は
「とにかく具体的に!」なんて全然具体的じゃない。
ランチェスター法則が発見されて今年で九〇周年だそうです。
ランチェスター法則は、単なる競争の法則で第一法則と第二法則があります。
頭の良い人がいるもので、この法則と、オペレーションズリサーチ。
ゲームの理論などを駆使して、いろんな計算を
して有効な数値を出したのです。
大切なのは、この計算を理解するということより、どう応用すればよいかが問題です。
さて、人間は具体的に示されるとストレスが溜まらず、直ぐに行動が出来ます。
あるテレビ局が実験をしていました。
二つの部屋を用意します。
その部屋に別々に十名ほど待機して頂きます。
一つ目の部屋のメンバーには、特に事情を伝えずに、「しばらくお待ちください。」と係りが伝えて部屋を後にします。もう一つの部屋には、事情を伝え、「十五分お待ちください。」
こう伝えます。そして二つの部屋のメンバーのストレスをビデオで観察します。
明らかに、一つ目の部屋の方がイライラしてくるのが分かりました。
実験はここで終了していました。
この実験をもう少し時間を長くして例えば六十分ぐらいにして続けたらどうなるでしょうか。
恐らく、一つ目の部屋のメンバーは思考力がなくなり、二つ目の部屋のメンバーは、この六十分をどうやって過ごそうと考えることでしょう。
さらに、この後にこのメンバーが行ってもらうことを予め伝えればリーダーが現れ予行演習なんかを始めるかもしれません。
なぜこんな話をしたかと申しますと、実は、これに近いことが会社で行われているのです。
「とにかく売ってこい!」
この言葉を聞くと営業は、兎に角、外に出て行くだけです。
自分で考えられる人は、行動できますがほとんどの人がここで思考が止まってしまいます。
これを具体的にできるのが、ランチェスター法則です。
ランチェスター法則とゲームの理論、オペレーションズリサーチからバーナードクープマンは、必勝の数値2.83を導き出しました。
この数値は、相手より2.83倍の量を投入すれば必ず勝てるという数値です。
これを訪問営業に応用すると。
営業力は訪問回数の二乗×訪問の質で表されます。
まず二乗が付いている訪問回数を何回にするかということから考えてみましょう。
競争相手より3倍の訪問を行えば、勝てるということになります。
しかしイキナリ3倍戦術力を投入すると競争相手も黙っていません。
したがって、ここは3年計画、5年計画で行う必要があります。
3年計画の場合は1.7倍、5年計画の場合は1.3倍の訪問を行います。
もう一つの問題は、訪問の質です。
訪問の質は「時間の長さ」か、というとそうでもありません。
営業力のある人ほど時間は短く済ませます。特に新人営業の場合などは長く滞在すると厳しく断られる根拠をお客さんに与えてしまうだけです。そこで時間を制限します。それと何を聞いくかを予め決めておきます。
これを事前に訓練して回数を重ねると、どんな人でも営業力を上げることが出来ます。
さて営業の素質同じだとすると、「兎に角売ってこい」と言うのと、どちらの方が力を発揮することができるでしょうか。
私は、ルート営業をされている会社の相談を受けますと、最初に取引先のABC分析をすることをお勧めします。
そしてAランクから順に、お客さん一件一件に対して競争相手はどうかの情報収集をしてもらいます。
次に、必勝の数値を元に、各お客様の一ヶ月当りの訪問件数を決定します。
勿論Aランクは件数を多くし、Cランクはできるだけ訪問をしないようにします。
こうすることによって、強い所をより強くすることができます。
ランチェスターの法則で数値化することで、現場は具体的に動くことができます。これが営業の仕組みです。
ビジョンがなければ、今頃は
私は楽天日記を毎日書いていますが、先日ついに三六五日を越えました。
独立を公表してから、自分の記録、自分自身のケジメとしてスタートしました。
読み返してみますと、ポリープ除去に始まり竹田先生との出会い。
二月二四日の九六名集まって頂いたセミナー。
未だにまともな給料が取れるような状態ではありませんが、皆さんに助けられながら、フラフラして何とか一年が経ちました。
お陰さまで、十一月八日で一周年を向かえることができました。
続けていくのに一番つらいのは、やはり自分の収入です。
ところがこの収入だけに、こだわると商品を売ろうとしてしまい、自分本位になり、お客さんのためになるかどうかは、二の次になってしまうのです。そうすると不要なものまで販売してしまうため、気持ちが落ち込んでしまい長続きしない。
以前からそうでしたが、私はお客さんのためにならないことが分かると大変落ち込んでしまう傾向にあります。
そんなとき、いつも思い起こすことは、
「ランチェスター弱者の戦略を広めて、中小企業の業績を上げ、地元の経済を良くする。」
というとんでもないビジョンでした。(思うのは勝手ですので)
しかしそう思い浮かべると、なんだか気持ちが楽になり、
「一人でもよい。戦略社長塾に来て頂き、兎に角ランチェスター弱者の戦略を聞いてい頂き、そして成功してもらうこと。さらに自分自身が実践することだ!」
このビジョンが、私を幾度となく救ってくれました。そしてこれからも私を救ってくれると思います。
そして、このビジョンに賛同して応援して頂ける皆さんに励まされながら続けられるのだと思います。
一周年を記念してセミナー開催
私のできることは、ランチェスター弱者の戦略を伝えることです。一周年を記念して、十一月二二日、二九日の二週に渡り中小企業家同友会事務局をお借りして、営業戦術と顧客戦術のセミナーを開きます。
最後に、メンター通信を継続して頂いた方々を、感謝をこめて
ご紹介致します。大変有り難う御座いました。
お申込頂いた順です。
潟Iー・エー・システム・センター 森田泰様
潟Cソ・コーポレーション 磯部昇一様
愛知清和求@北川裕人様
金田英樹様
井村屋製菓梶@井村正勝様
且R本ニット 東俊次郎様
H建築スタジオ 蛭川明彦様
政芳園 木村命琴様
以上7名
ニュースレターをお読み頂きありがとうございます
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【編集 ランチェスター経営三重岩崎】
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